放射温度計は温度を調べるための温度計の一種です。一般的な温度計としてはアルコールなど温度によって体積が変化する方式や、電気抵抗率によって温度を計測する方式が広く使われていますが、いずれの方式でも温度を検知するためには、その物体に触れさせる必要があります。一方で放射温度計は赤外線や可視光線の強度を検知することで温度を計測するというものです。メリットとしては非接触式なので、高温の物体から離れて温度を計測することができるということです。このため見た目で高温か低温かわからない物体の温度を計測するさいに安全に温度を計測することができます。また赤外線を検知して瞬間的に測定するため、接触型の温度計よりもすばやく計測することができるといったメリットがあります。

放射温度計の種類と用途について

放射温度計のメリットは非接触で温度を調べることができるという点です。このため接触型の温度計の場合には計測部分が触れ、また計測したものに近づく必要があるため衛生的にも良くありません。食品の場合には接触することで食中毒の原因になりますし、ウイルス性の疾患の場合には感染の原因にもなります。このため、ある程度離れて、計測できる放射温度計はそれらのリスクを避けることができます。このため食品業界で加熱されている状態を調べるといったことに使われていますし、効率よく大量の物の温度を計測することができるので、電子産業や製紙工場、木材加工工場、化学工場などで、製造機械が正常に作動しているかどうかを調べるためにも使われています。また安価なものであれば、数千円程度で購入することができ家庭用でも使われています。

放射温度計で重要な校正について

温度計を使用するさいに重要になってくるのが、その温度が正しいかどうかを調べる校正作業です。接触型の温度計の場合には物質や電気抵抗率の変化から温度を導き出しているため、長期間使用してもその差はわずかなものですが、放射温度計など非接触型の温度計の場合には赤外線か可視光線から温度を計測している関係で物体によって温度に差が生じます。赤外線の場合には特に影響が大きく物体の放射率は黒体の場合を1とした場合にはゴムやセラミックなどでは0.95程度ですが金属など光沢のある面だと放射率の変化が大きく0.9未満になるなど誤差が生じます。このため、調べたい物体に合わせて事前に校正曲線を設定する必要があります。また可視光線の場合には、強力な光から計測するため、一定の光を発する温度に達しなければ利用することができません。